西暦2040年3月、第一次星間大戦終結30周年を記念する式典が地球のマクロス・シティで挙行され、シャロンがゲストとしてコンサートを行う予定だった。しかし、自我の発露を認識したシャロンはマクロスの統合軍中枢コンピュータを乗っ取り、式典を目撃した人々全てをマインドコントロール下に置く。そしてイサム・ダイソンとガルド・ゴア・ボーマンとの三角関係に悩むミュンの深層意識を取り込み、2人の乗るYF-19、YF-21へ向け無人戦闘機ゴーストX-9を出撃させる。
最終的に、ガルドのYF-21による決死の体当たりによりX-9は撃墜され、イサムのYF-19によるマクロス艦橋への肉弾特攻によりシャロンのブラックボックスは機能停止し、騒動は終結を見る。この一件はテクノロジーを過信した人類への戒めとなったが、シャロンが抱いた「すべての人に最高の感動を与える」という願望は、快楽を供給するアイドルの性ともいえ、「擬似人格の暴走」では片づけられない人間的な一面も持っていた。
また一時的とはいえ、統合軍中枢機能が人工知能に占拠された事態は大問題であり、この余波が無人戦闘機主力化の凍結という結果に及び、本事件より5年後の『マクロス7』においてもゴーストは登場せず、また10年後を舞台とするゲーム『マクロス VF-X2』では、シャロン・アップル事件が軍内部でも一部しか知らない特秘事項扱いであることが示唆されていた。結局、ゴーストの制式化は2050年代(登場作品では2059年を舞台とする『マクロスF』)まで待つこととなる。
シャロンの楽曲が収録されたディスク等については、事件後一旦発売禁止となるが、5年後の2045年12月1日にはインタラクティブシステムを除去したリメイク版が発売されており、『マクロス7』では登場人物がシャロンの歌を聴いている場面が複数存在する。
『マクロスプラス』に登場。通称「ゴーストバード」。究極の戦闘機を目指しマクロスコンツェルンが極秘裏に開発した自律型無人戦闘機で、その人工頭脳にはヴァーチャル・アイドルシャロン・アップルから得たデータが応用されている。武装はレーザー砲5門と内蔵式ハイマニューバ・ミサイル29基。大気圏外ではファストパック(ブースター兼ミサイルランチャー)2基を追加装備する。
模擬戦闘において期待通りの成績を残し、統合軍の次期主力戦闘機に内定。2040年3月の第一次星間大戦終結30周年記念式典において公開され、有人戦闘機を過去の遺物にするはずであった。しかし式典の最中シャロン・アップルの人工知能が暴走し、統合軍中枢機能を支配(シャロン・アップル事件)。X-9もシャロンの意志に操られ、地球に飛来した2機の有人試作戦闘機YF-19、YF-21を迎撃するため発進、2機種を圧倒する驚異的な性能を見せた。だがYF-21のハイ・マニューバ・モードによる決死の体当たり攻撃により撃墜された。この一件で人工知能への依存が時期尚早で危険と判断されたため、X-9は採用中止、無人戦闘機の主力化は一時凍結された。
ゲームでは『スーパーロボット大戦α外伝』や『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ』にも登場する。